仕事の前に、仕事以上の関係を
昨日は新しいプロジェクトのキックオフがあった。キックオフというか、アパレル会社であるクライアントとの顔合わせとして展示会におじゃまし、そのあとご飯を食べた。声をかけてくれたのはグラフィックデザイナーの小林一毅さん。一毅さんとはKIKI WINE CLUBの立ち上げで出会い、その後小川町を案内したり、UNE STUDIOのロゴをお願いしたり、クラフトアイスクリームINOにブランディングなどでご一緒してきた。展示でも、会食でも具体的なプロジェクトの話は多くはせず、お互いを知り合うという時間であったが、それがとてもプロセスとして嬉しかった。
仕事は目的があり、さまざまな条件があり、役割が任されるので、ミッションにまっすぐ向かいがちだ。はじめましてでお互いのことをあまり知らないのに、議題がスパスパ進んでしまい、段取り良く進んでしまい、内容はわかったけれど、どうして僕に依頼してくれることになったのか、その目の前の人が一体どういう人なのかがわからないまま、もやもやとプロジェクトが進んだことも過去にはあった。そういう仕事はあまりうまくいかないものでもある。やはり人と人が数ヶ月、もしくは数年にわたって毎週連絡を取り合って、心を割いてやっていくものなので、仕事の前に、仕事以上の関係を築いて取り組みたいという気持ちがある。これはTRUNK DESIGNの堀内さんの仕事の取り組み方から感じて、言葉になったものでもある(ときに飲みすぎてしまうというのはご愛嬌)。
そういう意味で、昨日の時間はとてもありがたく、僕がそのような進め方をしたいというリクエストをしたわけでもないのに、そのような時間を設定してくれたことがとても嬉しかった。お互いが何を大切にしているかはもっと表明すべきであると思う。その違いはあって然るべきで、ある種そういった思想や信条が揃う人たちでやっていくのがいい表現を生むのだと思う。そのへんにたまたまいた(図らずも多くのものを共有していた)奴らでバンドを組むのがよいというのは、ビートルズやU2が実証済みでもある。