Journal

最近、『健康』

TAKEHIKO YANASE

先日tokyobikeとのMTGの後、清澄白河でベトナム料理を食べた。はっしーがこのJOURNALを読んでくれていると聞いて、嬉しかった。YOU INC.のWebサイトは大体一日20くらいのアクセスがある。一般生活者向けのサービスや商品でもない、小さな会社のWebサイトとしては悲観する数字ではない。一人が読んでくれていると信じられるだけで、文章は書ける。生春巻きを頬張りながら、「最近、『健康』どおっすか?」というような話をしたので、最近買ったものを記しておきたい。

ゼロシューズ「ジェネシス」
いわゆるベアフットサンダル。ワラーチとも呼ばれるそう。ソールは4.8mm、重さ約130gと限りなく裸足で歩いている感覚になれるサンダルだ。小川町で履いている方がいて、5年くらい前からベアフットシューズというものに興味を持っていたが、最近「BORN TO RUN」「歩く」といった書籍を起点に一部でブームだそうで、無意識にもその波に乗り興味が再燃。購入に至った。上野に行った際にアートスポーツで試着し、色違いをネットで買った。普段は28.0cmだが、27.0cmをナイスチョイス。「つま先が出て、爪が地面に削られない?」と不安にもなったが、大丈夫だった。小川町ではだいたいこれを履いている。小石や点字ブロックの凹凸が直に足裏に伝わってくる感覚。わりとすぐに慣れ、都内に行くときにニューバランス990などを履くとフカフカで違和感を感じるようになった。足を鍛えられるらしいのと、フラットなソールの靴を履くと姿勢がよくなるという。夏の相棒としてはとても気に入っている。

アーユルチェア
13年間リープチェアを使っていた。会社で支給された椅子がしっくりこず、オフィスバスターズかどこかで中古を購入し会社で使っていた。座り心地はよいのだが、座り心地がいいことがよいのかを最近考えるようになった。日によっては、一日12時間くらい椅子に座っている。椅子に1時間座り続けることは、一本タバコを吸うくらい体に悪いという、キャッチーな言葉が心に残る。自分では姿勢があまりよくないという自己意識があって、アーユルチェアを購入。ブランドとしてのカッコよさはあまり感じないが、プロダクトの形状はかなりミニマムで好みである。HUMAN MADEがコラボしているのは意外性がある。買ったのはブラックのキャスター付き。メルカリで25,000円ほど。座面裏のひび割れは特段影響はない。届いたばかりであるが、姿勢が正される座り心地。1時間も座っていたら疲れてしまいそうだが、それがいい。Apple Watchに催促される前にスタンディングできる。デスクに座っているのが通常ではなく、ウロウロしているのが通常で、デスクは連絡とドキュメントづくりをする場所という立ち位置にしたい。そういう意味ではデスクが大きすぎるのかもしれない。小さなスタンディングデスクも欲しくなる。

ナルゲンボトル 1.0L
小川町から都内に行く際には水筒を持って行くが、400mlくらいの水は途中で飲み干してしまい、結局ペットボトルを購入することも少なくなかった。そこでナルゲンボトルの1.0Lを購入。1Lあれば日中は過ごせる。一般的に、一日2L水を飲むのがいいらしい。自分は少し体も大きいので、もう少し多くてもいいのかもしれない。荷物としては重くなるので、帰り道では飲み干して軽くしたいという謎の動機も湧き上がる。ゲットしたのは、無印良品のお仕事でもご一緒した勝山八千代さんのイラストが入ったモデル。無論、可愛。友人が関わるものを選ぶというのは、買い物の一つの指針でもある。

横田農場の種
UNFARMで大豆を育てているが、3畝くらい空きがあるので、横田農場で夏に植えられる種をお裾分けしてもらった。食事、睡眠、運動という健康の3大要素があるが、何から始めるのがいいかと言えば食事だと肌感で思っている。量と質。栄養のいい食事を適切な量とれば、エネルギーが湧いてくる。夜も眠くなる。いや、そんなこともないか。とにかく世は食べ過ぎで、消化にエネルギーを使いすぎていると思う。食べたり飲んだりで、夜寝る時間も遅くなる。よく寝て、いい食事とれば、運動も苦ではなくなっていくはず。まあ空論ではあるが、とにかく自分で土を育てて、そこで野菜を育てて、鮮度高く食べる。そんな自分なりの健康アプローチ。

自分が80年前のことを覚えていられる

TAKEHIKO YANASE

夏はいつからこんなに暑くなったのだろう。平成初期の校庭で僕は毎日のようにボールを追いかけていたが、近所の小学校の校庭に人影すらない。
妻は北国出身で、夏は娘とともに長期で帰省する。去年までは僕も一部の期間合流し、家族揃って冷涼な気候で過ごしていたが、今年は留守番。とはいっても、網走や鹿児島への出張、都内での打ち合わせなどの予定がテトリスの後半戦のスピードでカレンダーにピタッと埋め尽くされ、どうにも身動きが取れなくなってしまったのが実際のところだ。

3週間の一人暮らし、保育園の送迎もない。朝早く起床し、まだ空が明るくなる前にジムで汗を流し、みんなが仕事を始める頃には、メインの作業を終え、夕方には仕事を終え、夜はゆっくりアクアパッツァなどを調理し、ナチュールワインを嗜む。なんていうイメージはなかなか現実にはならない。なぜだろうか。一つは多様なチームで動いていること。自分の都合ですべてを決めることはできない。もう一つは、集中力と体力の問題だ。自分の思ったように自分の身体と頭を動かすというのは簡単ではない。それでも毎日毎日、コツコツと、プロジェクトは進んでいる。ロサンゼルスアパレルのTシャツ、パタゴニアのバギーズ、ゼロシューズのジェネシスという最低限な服で、毎日働いている。

仕事の合間、小川町図書館の戦争展を見に行った。今年は戦争から80年。戦争を体験した人は今の80代以上であり、記憶があるのはおよそ85歳以上、成人として体験した人はもうかなり少ない。その人がそこで体験したもの、目撃したもの、聞こえた音、感じた匂い。それは100%の記憶としてあったはずだが、時とともに忘れていく。昨日の朝ご飯も、小学校の先生の名前もパッと思い出せない自分が80年前のことを覚えていられるワケがない(それでも小学校の親友の家の電話番号は空で言えるのは脳の不思議だ)。忘れてはいけないものも、忘れてしまう。だからこそ記録をする。文字で音声で、写真で映像で。100%を記録することなどはできない。切り取らざるを得ない時点で、どこかに誰かの編集が入る。ドキュメンタリーとしての編集。自分は2025年の夏をどう残そう。80年前に亡くなった人たちに思いを馳せ、今日の青い空に感謝して、残すべき日々を生きるという恩返しをしてみたい。

網走は夏は涼しく

TAKEHIKO YANASE

「HERES」の取材で網走へ。帰りの飛行機で進めようと思った原稿のGoogle docsをオフライン編集可にするのを忘れて、できなくなってしまったのでJOURNALを書く。AIRDOのドリンクは、久しぶりにホタテスープをナイスチョイス。

網走は初訪問だったが、どこか過酷な環境の町という印象を持っていた。極北の地で、流氷が流れ着き、刑務所に最適な罰のような寒さ。印象というのは誠に勝手である。実際訪れてみると、網走は夏は涼しく、冬も比較的温暖で、水産の水揚げも桁違い。モスバーガーやミスタードーナッツ、ブックオフもあるくらいの街で、非常に住みやすそうであった。今回は日程が直前に決まったこともあり、ビジネスホテルがどこも満室で、取材の初日は男3人でコテージ泊となった。CITYとBASICという国道を挟んで対面にある地元のスーパーマーケットを両方訪れ、惣菜や海鮮を買って茶色い部屋の中で食べた。ホッキ貝をイミュー黒田さんが捌いてくれて、網走ビールと一緒に食べると、それは大変歯ごたえもよく、うれしい食体験。日常で貝を捌いて食べることは小川町ではなかなかないが、いつか港町に住んだら日常になるのだろうか。

初めての町で、初めての人と出会う取材は最も好きな仕事である一方で、普通に疲れてしまう。体力だけでなく、頭が疲れてしまうというか。今回は、網走川流域の会の新谷会長の話を聞く。流域が連携し、豊かな自然資源を作っていくというのは今の最大関心事といってもよく、大変興味深く聴いたし、また新谷さんの人間性に魅了される取材であった。今回はイレギュラーで僕はカメラマンだったので、取材対象者の表情がいつもよりもよりハッキリと見えて、話の内容は一部聞くことができなかった。耳ではなく、目で受け取る取材だった。カメラマンさんはインタビューの撮影をするとき、話の内容もちゃんと追えているものなのだろうか。

雨天で風景撮影ができなかったこともあり、取材を追えてから帰りのフライトまで時間が空いた。美幌町にあるKITENというコワーキングに立ち寄り、作業や打ち合わせをした。3時間まで500円、コーヒーやお茶も飲み放題というリーズナブルがすぎる価格設定。「どうしてこんなに安いんですか?」と聞いたら、「田舎ですから」と兵庫県から移住してきたスタッフさんから返ってきたが、納得はいかない。デスクからの、いかにも北海道らしい畑と草原の眺めも最高であった。今の時代Google Mapsでの検索センスが旅の満足度、つまり身体知の蓄積、つまるところ人生の質を大きく左右してしまうし、それは場数で培っていくものでしかない。

網走から30分ほどの女満別空港。女性は満腹と言っても別腹がある、と書いて女満別。帰りの飛行機が遅れて、小川町に帰れないかもしれない。おみやげに買ったホッケとしじみには60円支払って付いてきた保冷剤が寄り添うものの容赦もなく溶けていく。どうにか無事でいてほしい。蒲田で一泊するか、実家に行くか、池袋あたりまで行くか。時間とお金と体力のバランスを計算し、頭のメモリが減っていく。クラシックを聴いて、脳を休ませる。

そういえば、行きの飛行機でPodcast「まぼろし会議」を聴いた。そこで、仏教哲学に基づけば、ポスト資本主義としての経営のゴールは悟りにあるというようなことを聴いた。悟りというと大層だが、多角的な視点を手に入れ、苦を減らしていくということで、それはとてもしっくりきた。自己内多様性で解釈を自在に操りストレス減らしてこうという自分のマインドと重なる。仏教哲学を学びたくなったが、一人では前進しなさそうなので、これを読んでくださる貴方とともに学びたい。

MUJI HOUSEの「HOUSE AS LIFE」が公開となった。これからの家を考える動画コンテンツシリーズ。戸建てに暮らしたくなる読後感を目指した末に、制作者たちが戸建てに引っ越していくかもしれない。今後の撮影も楽しみである。家は学びと遊びに溢れている。

学大コレクティブのトークイベントの告知が始まった。「LOCAL IS NEW LUXURY」というテーマの第一回。お相手のHAGI STUDIOの宮﨑さんとは、先日小川町で再会したばかりだったが、じっくりお話できるのが楽しみである。小川町の話を東京でちゃんとすることは、実は初めてかもしれない。町の楽しさが伝わって、お客さんが小川町に来てくれたら嬉しい。週末なら学芸大学駅から「小川町」行きに乗れば、寝て到着できる町でもあるのだし。このままAIRDOで寝ていたら、小川町に着いたらいいのだが。