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うまく書けないということが証明してくれる

TAKEHIKO YANASE

金曜日の炎天下。徳谷柿次郎さん率いるHuuuuのみなさんが小川町にやってきて、町を案内した。いろいろな地域を見てきている人に回った感想を聞く機会は貴重で、相対的に町の特徴を言葉にしてくれることをどこかで期待してしまう。半日一緒にいることで、どういうところを見て、どういう反応をするのか、細かいところまで感じ取れる。言葉にならない細部にこそ、センスが磨かれる何かがある気がする。うまく書けないということが証明してくれるくらい、とても充実した時間だった。Huuuuのみなさんは素敵な方々で、信濃町にも近いうちに行きたい。

自分が住む町の本作り、経済合理性との付き合い方、仲間の作り方、わからなさ3割の法則、町に編集者がいることの意味、炎上しないディフェンス力、ヒップホップ的なりあがり、覚悟の決め方、Webと紙の縦と横。夜のイベントでは、いろいろな話が聞けた。録音はしてみて、悪くない音質で録れていたので、どこかで出してもいいかもしれない。

普段は聞き手を務めることが多い柿次郎さんが、深ぼられるように聞かれている様が新鮮だったとスタッフのキキョウさんがコメントしてくれた。聞かれると考える、考えると深くなる、深くなると面白くなる。聞くということは、相手を面白くしていくということなのかもしれない。聞き手論も自分なりに深めてみたい。